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インタビュー サーバーの変革をもたらすIntel Xeon 5500番台

及川芳雄氏

及川芳雄氏 インテル株式会社
インテル技術本部
本部長

インテルは、2009年4月6日に新しいプロセッサであるXeon 5500番台を発表した。開発コード名Nehalemと呼ばれたこのプロセッサは、サーバー市場向けとしてPentium Pro以来の革新的なものと位置付けられている。その技術的な内容と導入企業にとってのメリットについて、インテル技術本部長の及川芳雄氏に話を伺った。

聞き手 本誌編集長 土屋信明  写真 津島隆雄

Xeon 5500プロセッサのインパクト

——Xeon 5500はPentium Proプロセッサ以来の最も重要なプロセッサと言われていますが、今後のサーバー市場にどのような変革をもたらすのでしょうか。

及川:今年の4月6日にXeon 5500番台を発表したとき、インテルコーポレーション上席副社長兼デジタル・エンタープライズ事業本部長のGelsingerがそのようなコメントを出しました。まず、Pentium Proが何を成し遂げたかというと、大きく変わった点はマイクロコードを使い始めたということです。これによってインテルは、サーバーレイヤやデータウェアハウスのレイヤに対して、設計上柔軟性の高いプロセッサを提供し始めることができました。安定的なサーバーシステムを構築できる初めてのプロセッサということになります。

今回のXeon 5500番台は、Nehalemアーキテクチャに基づくプロセッサです。これが提供する性能は、企業でのアプリケーションのパフォーマンス向上のみならず、科学技術分野でのHPC(ハイパーフォーマンスコンピューティング)にも十分対応できるものです。製品開発期間の短縮や試作コストの削減などが可能になります。これを実現した最大のポイントは、メモリコントローラを内蔵したことです。これによってHPCや企業のアプリケーションに対して、これまでに比べ段違いのパフォーマンスを提供できるようになりました。つまり、企業だけでなくHPCまで含めた幅広い領域で、適応性が高いという点で、Pentium Pro以来の最も重要で飛躍的な性能向上を果たしたプロセッサなのです。

ITリフレッシュの重要性

及川芳雄氏

——今は経済状態がよくないので新しいサーバーの導入には消極的な企業も多いのですが、Xeon 5500番台のサーバーを導入することでどのようなメリットが得られるのでしょうか。

及川:確かに、今企業では経費削減プレッシャーが非常に強いのは事実です。しかし、企業のIT部門にとっては、経費削減をしながらも基本のサービス品質は落とせません。また、非常に残念に思うのは、経費削減によって新しいプロジェクトのキャンセルが非常に多く発生していることです。しかし、企業が成長を続けるには、新しいプロジェクトにチャレンジし続けなければなりません。新しいプロジェクトを発掘できないということは、新しいビジネスに進むことができないわけですから、企業の成長という意味でもマイナス要因です。そこでインテルとして謳っているのが、ITリフレッシュの重要性ということです。

どういうことかというと、企業が存続するにあたり、サステナビリティ(環境を破壊することなく資源利用を持続可能であること)が必要だということです。経費削減というと、リフレッシュなど到底無理なので既存のサーバーシステムをあと2年くらい使い続けようというのが一般的な考え方かもしれません。しかし、これは本当にいい方法なのでしょうか。今まで使ってきたサーバーシステムには、当然既存の問題点があります。たとえば、それを使い続けることによって新しいサービスや新しいユーザーに適正なパフォーマンスを提供できるのか。また、メンテナンスという点から言えば、古くなるほど保守料は上がりますし、パーツも手に入りにくくなるので、そもそもリペア自体ができなくなる可能性もあります。つまり、古いサーバーシステムを使い続けることは、サステナビリティという面では妥当ではありません。経済状態が困難であったとしても、企業の成長基盤として機能を維持するためには、段階的なITリフレッシュが必要なのです。

ITリフレッシュによるメリットについて、具体的な数字でご紹介しましょう。2005年にシングルコアのXeonプロセッサ搭載サーバーを184台を導入している場合、この184台全部をXeon 5500番台搭載サーバーに更新すると、性能は最大9倍になります。9倍になるということは8倍分の性能は新しい仕事を割り当てることができますから、これまでキャンセルされていた新しいプロジェクトを進めることができます。さらに、年間エネルギーコストは18%削減可能になります。

あるいは、性能をそのままにするなら、サーバーの台数は21台で済みます。これは、データセンターのフロア面積が削減できるとともに、台数が少ないのですから保守にかかるコストも下げられますし、年間エネルギーコストは90%削減できます。TCOは大幅に削減されます。試算では、サーバーの更新費用を、最短8カ月で回収できます(図1)。

図1 サーバー更新のメリット

図1 サーバー更新のメリット(シングルコアサーバーからの場合)(出典:インテル)

また、どちらにしても新しいサーバーに替えることでエネルギーコストは削減できるので、グリーンITという社会貢献が可能になります。電力消費量やどの程度削減したかということを国に報告しなければならないという法律もできていますし(「エネルギーの使用の合理化に関する法律」)、今はまさにITリフレッシュの時期であるとも言えるでしょう。

新しい技術が新しいコンピューティングモデルを支え、生産性や可用性を高めます。多くの方が想像しているよりもはるかに、Xeon 5500番台のテクノロジは大きな影響力を持っていると思います。

——インテルのIT部門は、どのようなスケジュールでXeon 5500番台に移行されるのですか。

及川:弊社は2万台のXeonサーバーを導入しており、これを4年サイクルで入れ替えています。つまり毎年5000台ずつ新機種に替えていきます。今年の3月に発表された「インテルITパフォーマンス・レポート2008」では、データセンターの効率化によって約9,500万ドルの経費が削減できたと発表していますが、これは旧サーバーを最新サーバーに統合したことによる約4,500万ドルの削減を含んでいます。また、データセンターの消費電力は3万4,689kW/日と、前年比5%の効率性向上が図られています。これが、2009年は約10%削減まで進展する予定です。

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