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NetAppのクラウド戦略

文:ネットアップ株式会社 マーケティング部 部長 阿部 恵史

米国時間2009年8月25日、日本では9月1日に、NetAppは初めて正式に自社のクラウド戦略について発表を行った。NetAppは、他の総合ITベンダーやストレージベンダーと比較して、クラウドに対するポジショニングや取り組みのアプローチに関して、他社とは大きく異なるいくつかの特徴的な点があるが、その中で特に製品技術戦略を中心にNetAppのクラウド戦略を概説する。

クラウドコンピューティングの定義と自社のポジショニング

クラウドコンピューティングを定義するにあたり、大きく2つの考え方がある。1つは、クラウドをアーキテクチャモデルの仕様や実装技術など技術的観点から定義するアプローチであり、もう1つはクラウドコンピューティングをビジネスモデルとしてとらえるアプローチである。

NetAppが考えるクラウドとは、オンデマンドでコンピューティングサービスを提供する機能、すなわち「サービスとしてのIT(IT as a Service; ITaaS)」と定義し、また、より現実的なアプローチとして、クラウドコンピューティングによってどのような問題が解決できるのか、という視点から、クラウドコンピューティングを、サービスとしてのITを提供するためのビジネスモデルと考えている。また、クラウドサービスはクラウドコンピューティングの最終的な成果物であり、4つのサービスカテゴリに分類している(図)。

クラウドサービスのカテゴリ(出典:ネットアップ)

クラウドサービスのカテゴリ(出典:ネットアップ)
プライベートクラウドとパブリッククラウドの違い

プライベートクラウドとパブリッククラウドの違い(出典:ネットアップ)

また、クラウドには、ある企業に直接関わるエンドユーザー、パートナーなどによる限定的なアクセスのプライベートクラウドと、インターネットにアクセスできる人なら基本的に誰でも利用できるパブリッククラウドの2種類があり、さらにそれぞれ2つに分類できる。

プライベートインターナルとは、業務プロセスのIT化に際し、自社内で所有するITリソースをサービスとして企業内ユーザーあるいは関連企業に対して提供する形態である。それに対し、プライベートエクスターナルは、IT資産を持つのではなく、社外のクラウドサービスを利用して業務プロセスのIT化を実現する。一方、パブリッククラウドは企業だけでなく個人消費者に対するサービスを含んだもので、パブリック(トラディショナルIT)はメールやオフィスツールなど、従来企業のオフィス業務に欠かせないアプリケーションとして発展し、その後一般に広がったものをサービス化したもので、一方のパブリック(Non-IT)とは、主に個人消費者向けに提供される大規模なSNSやエンターテインメント系サービスなどとしている。

NetAppのクラウドコンピューティングに対するポジショニングとして特徴的なのは、クラウドにおいては、”Technology Partner of Choice” (最適な技術を提供するパートナー)であり続けることを目指しているという点である。すなわち、クラウドサービスプロバイダやプライベートインターナルのクラウド環境実現を考えている企業のIT部門に対して、最適なテクノロジーを製品という形にして提供することのみに注力し、クラウドサービスプロバイダにはならないということである。

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