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ラック、サーバー、コンテナで運用コストを大幅に削減する SGIのecologicalデータセンター・ソリューション
運用工数と電力消費の大幅な低減でTCOを削減
SGIのデータセンター向けソリューションは、高密度化と低消費電力を実現する直流電源対応ラックと、専用の前面操作型BTOサーバーなどによって提供される。ラック単位、データセンター全体でのコスト削減が可能だ。また、今後の大型データセンター建設に大幅なコスト削減を可能にするコンテナ型モジュラーデータセンターも提供している。
大規模ネット事業で豊富な実績を誇るラックとサーバー
Rackable2009年5月、ラッカブルシステムズのシリコングラフィックス買収により誕生した新生SGIが提供するecologicalデータセンター・ソリューションは、高密度設計とBTOモデル、低消費電力をキーに、データセンター運用のコスト削減を実現する製品群を提供する。
ecologicalデータセンター・ソリューションを構成する製品には、ラックとその専用サーバー、そしてコンテナ型のモジュラーデータセンターがある。
ラッカブル時代から省電力、省スペースに定評のある直流電源対応のラックには、エンタープライズ向けの「Rackable」とクラスタコンピューティング向けの「CloudRack」が提供されている。
旧ラッカブルのラックは、専用のサーバーとともに、多くのネット先進企業やグローバル企業などで採用されてきた。
ユーザー企業にはYouTube、Face book、MyYearBook、Sony Computer Entertainment、Yahoo!など、そうそうたる顔触れが並ぶ。
高密度化、省電力化メリットを提供するラックとサーバーのラインナップとともに、SGIは今後の大規模データセンター建築の鍵を握るコンテナ型モジュラーデータセンター、「ICE Cube」も提供している。
省電力ラックとBTOサーバーでデータセンター全体の効率をアップ
マーケティング本部データセンタービジネス担当部長
増月孝信氏
「Rackable」の特長は、ハーフデプス(奥行半分)のサーバーデザインによる高密度化で、1ラックあたり最大1Uサーバー88台の搭載を可能にしている。また、Back to Back方式で電源コード以外のケーブル端子を前面に集中することにより、メンテナンス作業時間の削減を実現している。
ラック中央部に通風空間を設けることで優れた排熱性を持ち、DC(直流)電源オプションにより直交変換の電源ロスを低減、最大30%の節電効果をあげられる。
ラッカブル時代から直流電源対応は有名だが、ラック到達時点で整流器による直交変換が可能なため、従来のデータセンター設備でも直流と交流のサーバー併存が可能となり、今後の直流化をにらみながら、交流サーバーを使用している現状での導入も十分選択肢となる。
昨年1月に米国発表された「Cloud Rack」は、クラウドニーズに代表されるクラスタコンピューティングに対応するために、さらなる高密度化と画期的なエネルギー効率を実現している。
「CloudRack C2」は24Uと42Uのキャビネットが提供されており、1キャビネットあたり最大1824コアの搭載が可能だ。12V DC電源を使用し、いったんプールした3相電流をバランスよく配電する「Power XE」テクノロジーにより、99%以上の配電効率を実現、データセンター全体での電力利用効率を劇的に向上させている。
ラック背面には6個を1ユニットにした放熱用の冗長ファンが装着されており、サーバーごとのファンは必要ない。
「14cmの大型のファンを使用しており、モーター数を少なくすることが可能で、故障も使用電力も減らすことができます」と、日本SGI マーケティング本部データセンタービジネス担当部長の増月孝信氏は説明する。
また、非常に熱効率に優れており、40℃の室温でのデータセンター運用が可能で、空調費も削減できる。
標準的な他社サーバー利用を前提としたラック単体では効率化や省電力化には制限があるが、「CloudRack」は高密度化が可能な専用の1Uサーバートレイ上に、CPU、メモリ、ディスクの幅広い選択肢から自在に構成できるBTO(Build to Order)方式のサーバーを提供している。
このトレイには蓋、冷却ファン、パワーサプライがないため、障害ポイントも少なくメンテナンスなどの作業にも特殊な工具は必要ない。
出荷時に工場でケーブリングやOSインストールも受け持つ。ユーザーの作業を減らし、短期日での導入が可能だ。CPUにはインテルXeon5600番台を搭載可能で、高パフォーマンスと低消費電力を実現している。
ラックとBTOサーバーを併せ持つことで、個々のサーバースペックではなく、ユーザーがビジネス上で求めるデータセンター全体での効率化や、ラックごとのパフォーマンス最適化が図れ、「コンサルティングに近いBTO提供」(増月氏)が実現できる。このため、PUEは1.4。運用コストの削減に大きく貢献可能だ。
コンテナ型データセンター
日本でも高まる導入機運
「ICE Cube」はコンテナ型のモジュラーデータセンターで、40フィート×8フィートの密閉、輸送コンテナに最大30ラック、41,760コアの搭載が可能だ。
冷却性にも優れ、従来のデータセンターと比較して冷却コストを80%低減し、PUEは1.2と最大50%の電力コスト削減が可能だ。
「データセンター事業者は、通常ラックより先に建物の建設費用を支払わなくてはなりませんが、コンテナ型なら初期投資を抑えることができます。また、モジュラー単位の増設が可能なため、柔軟な投資と導入期間の短縮が可能になります」と、増月氏はICE Cubeのメリットを語る。
コンテナは水冷式でUPSの設置も可能、メンテナンスもサプライヤに任せられる。
これまで日本国内ではコンテナ型データセンターの導入はほとんど聞かれなかったが、「今年は日本でもコンテナ元年になるかも知れません」と、増月氏は指摘する。
土地が少ない国内でも、高架下や原発近く、あるいは工場敷地内など、コンテナ設置に適した場所は多い。
従来、日本ではコンテナ型は建築基準法や消防法の対象で、消防設備が必要となるなど普及が難しい面があった。しかし、総務省はクラウドコンピューティング普及のために東北か北海道に来春にも特区を設け、そこで規制緩和を行う方針だ。これにより、構築運用コストでコンテナ型に大きなメリットが見込め、普及が期待される。
海外ではすでに大規模な「ICE Cube」の導入事例もある。米国のデータセンター事業者であるi/o Data Centersはアリゾナ州の50,000平方メートルという広大な敷地に「ICE Cube」を導入。設置増設時間を大幅に短縮するとともに、省電力と冷却技術による運用コストの大幅な削減を実現している。
このように、クラウド時代に向けて、SGIのecologicalデータセンター・ソリューションは有力な選択肢と言えるだろう。
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